監修・解説:フラワーアーティスト® 永塚慎一
「フラワーアーティストに本当に必要なものは何ですか?」
そう聞かれることがあります。
センス、発想力、色彩感覚、花の知識。もちろん、どれも大切です。
しかし、私が長年花の仕事を続けてきて感じるのは、そのすべての土台になるのが**「技術」**だということです。
私は20歳で花の世界に入り、花店での仕事、フラワーデザイン競技、イベントや式典の装花、作品制作、そしてフラワーデザインの教育に携わってきました。
その中で一貫して感じてきたことがあります。
「自信は技術の上に成り立つ」
今回は、フラワーアーティストにとってなぜ技術が必要なのか、私自身の経験をもとにお話しします。
フラワーアーティストはセンスだけでは仕事にならない
フラワーアーティストというと、「センスのある人」「感性の豊かな人」というイメージを持つ方も多いと思います。
もちろんセンスは大切です。
しかし、プロとして花を扱うのであれば、センスだけでは仕事になりません。
例えば、まったく同じ花材を使って二人が花束を作ったとしても、出来上がる花束はまったく違います。
花の向き、長さ、重心、空間、ライン、色の配置、束ねる位置。
こうした一つひとつの技術の違いが、最終的な美しさの大きな差になります。
だから私は、感覚だけに頼るのではなく、
「なぜ美しく見えるのか」
を理解することが大切だと考えています。
そして、それを何度でも再現できる。
そこまでできて初めて、プロの技術になるのです。
技術とは難しい作品を作ることではない
「技術がある」と聞くと、複雑で難しい作品を作れることだと思われるかもしれません。
私はそうは考えていません。
プロに必要な技術とは、
「求められたものを、求められた条件の中で、きちんと形にできる力」
です。
実際の花の仕事には予算があります。
時間も決まっています。
その日に使える花材にも限りがあります。
そして何より、お客様の希望があります。
その条件の中で、ただ注文されたものを作るのではなく、完成した花を見たお客様に、
「想像していたものより素敵だった」
と思っていただく。
私は、そこにプロの仕事の価値があると思っています。
技術があるから発想を形にできる
素晴らしいアイデアを思いつくことと、そのアイデアを実際の作品として完成させることは別です。
どれだけ頭の中に素晴らしいイメージがあっても、それを形にする技術がなければ作品にはなりません。
だから、発想力と技術は切り離せないものだと私は考えています。
技術は表現を制限するものではなく、表現の自由を広げるためのものです。
基礎技術を学ぶのは、決められた型にはまるためではありません。
基礎があるからこそ、その先で型を崩すことができる。
そして、自分にしかできない表現へ進んでいくことができるのです。
私はフラワーデザインの技術を本にしてきた
私が技術にこだわる理由は、これまで出版してきた本にも表れています。
『枝物フラワーアレンジ講座』では枝物の扱い方。
『葉物フラワーアレンジ講座』では葉物を生かした表現。
『ベリー・フルーツ・季節の実ものフラワーアレンジ講座』では実物を生かした表現
『花のアウトラインとアクセントライン』では、作品を構成するラインについて取り上げてきました。
また、『3ステップ上達法 はじめての花の活け方』など、初めて花を扱う方にも技術を分かりやすく伝えてきました。
さらに『フラワーアレンジメントの発想と作り方』『フラワーデザインの教科書』では監修を務めています。
海外でも『Easy Ikebana』『Modern Japanese Ikebana』などの書籍が出版されています。
本を書くということは、自分だけが作品を作れればいいわけではありません。
自分が身につけた技術を言葉にし、整理し、他の人が理解して実践できる形にする必要があります。
私は長年、作品を作ることと同時に、技術を人に伝えることにも取り組んできました。
お客様の期待を超えるために技術がある
私が技術にこだわる一番の理由はここです。
花を受け取ったお客様が、
「想像していた以上だった」
「また花を贈りたい」
「次もこの人にお願いしたい」
と思ってくださる。
それがプロの仕事だと思っています。
逆に、写真を見て注文した花が、実際に届いたときに期待を下回っていたらどうでしょう。
次に何かを贈るとき、
「今度は花じゃないものにしよう」
と思われてしまうかもしれません。
だから私は、花の消費を増やすということを難しく考えすぎる必要はないと思っています。
お客様の期待を裏切らないこと。
そして、できるなら、
お客様の期待を超えること。
そのために必要なのが技術なのです。
【H2】フラワーアーティストに必要なのは「技術という土台」
センスも必要です。
発想力も必要です。
色彩感覚も、花の知識も必要です。
しかし、それらを実際の作品として形にするのは技術です。
技術が身につけば、自分が表現できる世界は広がります。
そしてその技術がお客様の期待を超えたとき、花はまた選ばれるものになる。
「自信は技術の上に成り立つ」
これが、私が花の世界で仕事を続けてきてたどり着いた答えです。
参加希望のNフラワー会員様は下記のアドレスにお申込みメールを
Nフラワーの体験レッスン希望の方は上記アドレスへ連絡ください
お電話の場合は 090-4013-3760 までお問い合わせください
代表理事 永塚慎一(Shinichi Nagatsuka)
