花の消費をどうすれば増やせるのか。
花業界では、昔からそんな話をよく耳にします。
花を買う習慣がなくなった。
若い人が花を買わない。
花の価格が高くなった。
もちろん、いろいろな理由があるでしょう。
しかし、私はもっと根本的なところに問題があると思っています。
お客様の期待を裏切るような花を作っていないか?
ということです。
私は35年以上、花の仕事をしてきました。
その中で、ずっと大切にしてきたことがあります。
それは、お客様が想像している以上のものを作るということです。
花の消費がや増えない理由をお客様のせいにしていないか
花の消費が減っているという話になると、景気や生活習慣、時代の変化などが理由として挙げられます。
確かに、それらも関係していると思います。
しかし、私は花を販売する側にも、もっと考えなければならないことがあると思っています。
例えば、お客様が花屋に来店したとします。
誕生日のお祝いに、5,000円の花束を注文する。
お客様は、どんな花束が出来上がるのか楽しみに待っています。
そして、完成した花束を見たときに、
「えっ!こんなに素敵な花束になるの!」
と思っていただけたらどうでしょう。
きっと、また花を贈りたいと思っていただけるはずです。
では、逆だったら?
想像していたものよりも、ずっと見劣りする花束が出てきたらどうでしょう。
次にプレゼントを贈るとき、花ではなく別のものを選ぶかもしれません。
私は、ここが非常に重要だと思っています。
ネットで注文した花は写真以上のものを届けるべき
今はインターネットで花を注文する人も増えています。
お客様は掲載されている写真を見て、その商品を注文します。
当然、その写真に期待しています。
そして、届いた箱を開ける。
その瞬間が重要なのです。
写真と同じ程度のものが入っていれば、それでよいのでしょうか。
もちろん、掲載写真と実際の商品が大きく違っていてはいけません。
しかし、私はそれだけでは物足りないと思っています。
写真で想像していた以上に美しい花が届いたら、お客様は感動するはずです。
また花を贈ろう。
次もこの花屋に頼もう。
そう思っていただける仕事をすることが、花の消費を増やすことにもつながるのではないでしょうか。
逆に、写真よりも明らかに見劣りする花が届いたら、お客様はがっかりします。
それが何度も続けば、花そのものへの期待まで失われてしまうかもしれません。
花屋に技術は必要ないという考え方
最近、花屋に技術はそれほど必要ないというような話を耳にすることがあります。
私は、まったく理解できません。
花を束ねる。
花を生ける。
花材を選ぶ。
花の特徴を理解する。
これらすべてに技術が必要です。
例えば、同じ花を10本使って花束を作ったとします。
技術のある人と、技術のない人が束ねた花束。
本当に同じものになるでしょうか。
私は、絶対にならないと思っています。
花の向き、角度、配置、バランス。
さらに、花束の内部構造や茎の扱い方。
そうした細かな技術の積み重ねによって、完成する花束の品質は変わります。
見た目だけの問題ではありません。
持ちやすさや、茎の傷みにくさ、花の日持ちにも関係してきます。
技術が必要ないというのは、技術を軽く考えすぎているのではないでしょうか。
私はそう思います。
プロのフラワーアーティストは何が違うのか
私はこれまで、数多くのフラワーデザイン競技会に出場してきました。
農林水産大臣賞を2回受賞し、ジャパンカップ優勝、関東東海花の展覧会総合グランプリ、世界らん展インテリア部門優勝など、さまざまな経験をしてきました。
しかし、競技会で賞を取ることだけが技術ではありません。
むしろ、日々のお客様への仕事こそ、その技術が問われると思っています。
例えば、数万円の豪華なフラワーアレンジメント。
企業の大規模イベント装飾。
そして、卒業式に贈る一輪の花。
どれも花の仕事です。
金額や規模が違っても、美しいものを届けるという基本は変わりません。
私は、どんな仕事でも妥協したくありません。
なぜなら、お客様にとっては、その花が特別なものだからです。
最高の花材があれば最高の作品ができるわけではない
私は市場で花材を選ぶ時間が好きです。
素晴らしい花材に出会うと、どんな作品にしようかと考えるだけで楽しくなります。
しかし、最高の花材を仕入れれば、最高の作品ができるのでしょうか。
そんなことはありません。
花材の良さを引き出せるかどうかは、作り手の技術にかかっています。
例えば、枝物一つをとっても、切り分け方や留め方、矯め方によって使い方は大きく変わります。
葉物も同じです。
どの葉を残し、どの葉を取り除くのか。
どの方向に使うのか。
それによって作品の印象は変わります。
花材の知識と、それを使いこなす技術。
両方が必要なのです。
お客様が求めているのは花そのものではなく、その先にある感動
花を購入する理由は人によって違います。
誕生日。
結婚記念日。
開店祝い。
お悔やみ。
日常のちょっとした贈り物。
しかし、そこには共通していることがあります。
花を通して、誰かに何かを伝えたいという気持ちです。
私は、花屋の仕事は単に花を販売することではないと思っています。
その気持ちを、美しい花の作品として届ける仕事だと思っています。
だからこそ、技術が必要なのです。
お客様の期待を超えるものを作る。
贈った人も、贈られた人も喜ぶ。
その経験が、次の花の購入につながっていく。
私は、それが花の消費を増やすための大切な答えの一つだと思っています。
フラワーアーティスト永塚慎一が技術にこだわり続ける理由
私は35年以上、花の世界で仕事をしてきました。
今でも、もっと美しい作品を作りたいと思っています。
もっと花の魅力を引き出したい。
もっと技術を高めたい。
その気持ちは変わりません。
そして、Nフラワーデザインインターナショナルで生徒さんたちに技術を教えるときも、同じです。
ただ花を生けられるようになるだけではなく、本当に美しい作品を作れるようになってほしい。
そのためには、基本技術を徹底的に身につける必要があります。
さらに、その技術を使いこなせるようにならなければなりません。
私は、花の仕事において技術は絶対に必要だと思っています。
そして、その技術を磨き続けることが、お客様の期待を超える仕事につながると信じています。
花の消費を増やしたいのであれば、まず花を提供する側が、お客様の期待を超える仕事をすること。
私は、これが何よりも重要だと思っています。
著者プロフィール
永塚慎一|フラワーアーティスト®・いけばな作家®
一般社団法人Nフラワーデザインインターナショナル代表理事。
花業界35年以上。農林水産大臣賞2回、県知事賞20回以上、ジャパンカップ優勝、関東東海花の展覧会総合グランプリ、世界らん展インテリア部門優勝などの受賞歴を持つ。
APEC2010をはじめ、著名人の来日式典やブランドイベントなどの装飾を手がける。
現在は作品制作、イベント装飾、フラワーデザインの技術指導など幅広く活動している。
Nフラワーデザインインターナショナルでは、全国のスクールを通じてフラワーデザインの技術を伝えている。
参加希望のNフラワー会員様は下記のアドレスにお申込みメールを
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お電話の場合は 090-4013-3760 までお問い合わせください
代表理事 永塚慎一(Shinichi Nagatsuka)



